寒ーい冬がやってきました。インフルエンザも流行っているし、外に出るのが億劫なら、マンガをゆっくり読むのもいいと思います。これまで読んできたマンガ60選を紹介します。
印象に残っているものから順番にランキングしていきましたが、これがこの順位???とか思われるかもしれません。どれもいい作品すぎて、順位にあまり意味はないかもしれません。記憶の本棚で見つけた順に書いていますので、番号はあまりお気になさらず。では、どうぞ~。
第1~10位
第1位 ブラックジャック
手塚治虫先生の名作です。見ていない方を探すのが難しいかもしれません。小学生の頃、祖父の家で古びたブラックジャックを見つけて読み漁ってました。個人的にバイオリンの話が印象的でした。この時から大事なものは手放さない様になりました。爆弾を仕掛けたテロリストが人を助ける話、何十年も眠ったままの患者を起こしたが故に死んでしまった話。人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね、という本間先生の名言とジレンマに苛まれる話がいくつかありますが、とても印象的です。
第2位 マスターキートン
浦沢直樹先生作画の不朽の名作です。この漫画に出会って人生を学び、ヨーロッパの歴史にとても興味を持った人も多いのではないでしょうか。考古学者であるキートンは保険調査員としても活躍し、時には危険な状況に巻き込まれつつも、知的で冷静な判断力で問題を解決します。独特の設定と共に、彼の人間味あふれるキャラクターが読者を引き込みます。物語は謎や事件の解明と共に、キートンの人生や独自の価値観に焦点を当てています。ファンタジーとリアリティが巧みに調和した名作です。
第3位 寄生獣
岩明均先生の名著。人間に寄生して人間の天敵になるという発想が凄いです。クパァと顔が割れて登場する寄生獣の仕組みはトラウマモノのインパクト。人間とは地球とは生命とは、寄り添って生きるってどういう事か考える作品です。胸に穴が空いたシンイチが、長い葛藤の挙げ句、最後に、、、号泣してしまいます。
第4位 岳
石塚真一先生の名作。山の素晴らしさをモチーフにしたマンガです。様々な登山家とボランティアで山岳救助をしている三歩の物語。よくがんばった!と、誰しもに裏表なく抱きしめる三歩の人間愛を見ると、涙がじわっと出てきます。これもまた、人に行動に影響を与える名作ですね。涸沢ヒュッテ、いつか行ってみたいです。ブルージャイアントの雪祈もそうですが、石塚先生の作品では物語の大切なキーマンが突然事故に遭う理不尽さや、平等にそういうことが起こりうる冷徹さが所々に発生します。ネットでは酷いという評価もある様ですが、人生はそういうものなのです、と言っていると私は勝手に理解しています。
第5位 ギャラリーフェイク
巨匠、細野不二彦先生の作品です。アートの歴史、作者の背景、犯罪など様々なモチーフで『へぇ〜』と思う以外な事実や展開がショートショートで紡がれます。主人公の藤田、アシスタントのサラは美術館で働きながら、贋作を作るギャラリーフェイカーとしての一面も持ちます。アートの奥深さと謎めいた犯罪を組み合わせ、読者を引き込む緊張感が魅力です。キャラクターたちの心情や過去の謎も描かれ、予測不能な展開が読者を引き込みます。アート好きや犯罪ミステリー好きにおすすめの作品です。
第6位 BLUE GIANT
石塚真一先生の現在進行形の名作です。心が勇気を取り戻す、絶対に読んでほしい名作です。読み終えたら何かを始めないと!と走り出したくなります。ただ単にJAZZの話では無く、人生の考え方のマンガと思います。第一部が2013年から2016年にかけてビッグコミックで連載され、ヨーロッパ編を経て2023年からはアメリカ編が連載中です。2023年には劇場アニメ版が大絶賛され、リピーターを生み出すほどの反響を呼んでいます。絵から音が聞こえるとも評されるほどの迫力の作画で描かれていて、実際のジャズの名曲が多く作中に登場します。是非、読んで欲しいマンガです。
第7位 バガボンド
スラムダンクの作者でもある井上雄彦先生による名作です。サブキャラの又八が非常にいい味を出していて、これって俺のこと?と、見ていて苦しくなる人も多いのでは?と思います。宮本武蔵を題材としていますが、歴史ものの古臭さは全くなく、孤高の男の成長ストーリーです。悩み、悔み、鍛え、乗り越える生き方にとても感動を覚えます。剣に生き、天下無双を目指し旅を出る。強者たちと出会い、次第に本当の強さとは何かを追い求めていく内容です。人の暗部を鮮明に映し出す心理描写はまさに圧巻。また、作画が非常に美しいのも魅力の一つです。
第8位 機動警察パトレイバー
巨匠、ゆうきまさみ先生のメカニックマンガで、シニカルなユーモアに溢れて、単純なメカニックファンだけでなく、ヒューマンドラマとしても秀逸です。くっくっくと含み笑いをしてしまう楽しさがあります。公務員やサラリーマンのしんどさや愚痴や責任感もよく表現されています。私は特に第1作目の劇場版が好きです。特車2課を舞台にしたサスペンス的な物語で、何回も見返しました。
第9位 うしおととら
藤田和日郎先生の初連載。熱量が半端ないです。うしおの生き方にただただ涙がこぼれます。大事なものってなんだろう?生き方って?心が弱って挫折しそうな時、全ての音を遮断して静かに読んでください。ダバダバと涙が出ます。立ってるか、真っ直ぐに。お天道様に顔向けて、お前はそこに立ってるか?私はこの言葉を書いただけで涙が溢れます。人類全員がこのマンガを理解すれば、世の中、もっともっと良くなると思います。まず読んで欲しい一品です。
第10位 からくりサーカス
うしおととらの次に連載された、藤田和日郎先生の冒険活劇です。うしおととらと同様に命の大切さ、友情と愛の大切さを全面にメッセージしながら、複雑なミステリー要素が加わります。伏線回収はまさにカラクリで、この設定はそういう事だったの?と、ゾワゾワします。個人的には最古のオートマータのドットーレの登場回がトラウマです。あの頃のサンデーとスピリッツは最盛期だったと、懐かしく思います。
第11~20位
第11位 あずみ
小山ゆう先生の名作。江戸時代初期を舞台に暗殺者として育てられた殺人マシーンのあずみが人間を取り戻すストーリーです。残酷で過酷な描写が多いですが、戦国の乱世を生き抜くリアルな様子を描いています。歴史的な背景や武道の要素の緻密さと、登場人物たちの複雑な心情や戦国時代の過酷さが迫力ある筆致で表現されています。あずみがんばれ!幸せになれよ!と、いつの間にか親目線になってしまいます。
第11位 AZUMI
同じく小山ゆう先生の作品です。あずみが江戸時代初期の先品に対して、AZUMIは幕末の作品になっていて、小山先生曰く、パラレルワールドで切り離して考えてほしいとのことです。おーい竜馬とのコラボも見られるので、こちらの作品のファンの方にも良いと思います。前作のエンターテイメント感をよりパワーアップした作品と思います。あずみは暗殺稼業で、親しい人が殺されてることが多くて、復讐する可哀そうな生い立ちで、いつか幸せになって欲しいと切なく思いをはせながら読むマンガです。
第12位 七夕の国
寄生獣の岩明均先生の作品です。設定がオリジナリティに溢れていて、謎がだんだん解けてくると、なるほど!そういうことかー、と後半にかけてグイグイと面白さが加速していきます。全く話に関係ないですが、岩明均さんの作品に出てくるモブのおじさんって、ザ・おじさんだなぁって思います。愚痴り方とか、言いそう!うまい!って思います。その微妙なリアルが作品に独自の味を加えています。
第13位 孤独のグルメ
私はドラマから入りました。谷口ジロー先生、久住昌之先生の作品です。ただ淡々とおじさんがご飯を食べるハードボイルドグルメマンガ。とにかくセリフがユニークですよね。そうか、そう表現すれば良いんだ!って正解をもらった感じです。「うおォン俺はまるで人間火力発電所だ」「うーん……ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった」「道端の草を食っているようだが、マズくない! けっしてマズくないぞ!!」とか、一人飯の楽しみ方を確立したマンガですね。
第14位 ピンポン
巨匠、松本大洋先生の不朽の名著。自分の中のヒーロー像とは?ヒーローはいつでも強くて憧れであって欲しいし、ヒーローは期待に応えたいよね。その関係性をこれでもかと突きつける名作です。名言、おかえり、ヒーローは、思い出しただけで胸がつんとして涙が滲みます。夜更かししてこの作品を初めて読んだ夜を思い出します。涙が止まらず、ラストまでずっと泣きながら読んでました。
第15位 GTO
藤沢とおる先生のコメディの金字塔。なんでこんな表現が思いつくのー!って、ゲラゲラ笑いながら読んじゃうマンガです。テーマがインテリ不良と高校の先生の設定なので、ヒューマンドラマっぽい要素が出る事もあるけど、藤沢先生はそれを見せる気は全然ない気がする。鬼塚先生は本気で怒っているんだけど、その方法がズレまくってるから面白いのなんのって。私は半身浴しながらこれを読むのが好きです。
第16位 スラムダンク
すべての若者に捧げる井上雄彦先生の大名作です。映画「The First Slam Dunk」もたくさんの若い人の心を改めて掴んでいるようで、古参のファンもとてもうれしく思っているのではないでしょうか。マンガの中には絶対に読まないといけないものが数作品ありますが、そのうちの一つだと思います。中学生の親戚の子が映画からマンガのファンになったみたいで、不朽の名作には時代は関係ないと、改めて思います。チバユウスケさんが亡くなって非常に落ち込んでいますが、オープニングに the birthday が出ていて、忘れられない作品になっています。
第17位 HUNTER×HUNTER
冨樫義博先生の連載と休止を繰り返す名著。ハンターハンターとガラスの仮面は、ラストを読まないと、死んでも死に切れないよねー、と家族でも話題になります。あらすじと文章でも良いから、結末は教えてほしいなぁ、と思ってしまいます。冨樫先生は、緻密な設定が冴え渡っていて、全ての登場人物の行動のタイムチャートが裏で作られているとテレビで見ました。マンガで表現されない裏の行動まで明記されているなんて、凄い事だと思います。マメで堅実な仕事が深みや凄みのあるストーリーに繋がっているのだと思います。是非、オススメします。
第18位 ブラックジャックによろしく
佐藤秀峰先生の名作。医師を目指すインターン生が様々な医療現場を舞台に、患者の為にどう行動するのが良いか、悩み、自分なりの答えを出していくヒューマンドラマです。私は「よろしく」の意味が、よろしくお伝えくださいなのか、◯◯の様にと言う意味のよろしくなのか不明でしたが、手塚治虫先生の漫画『ブラック・ジャック』と『ブッキラによろしく!』に由来して、内容的には直接の関係はない、とのことでした。多少モヤモヤする解決の後日談です。
第19位 天才柳沢教授の生活
天才山下和美先生の代表作です。
第20位 不思議な少年
これも山下和美先生の代表作です。ショートオムニバスで人間に興味を持った羽が生えた美しい少年から見た人間物語です。
第21~30位
第21位 賭博黙示録カイジ
福本伸行先生の名著。ビールを飲む時の表現やざわざわはもはや発明です。基本的にカイジはダメ人間ですが、なんか応援したくなります。ギャンブルはダメなものなんだと、反面教師的に学びました。あり得ない設定なんだけど、作中のゲームのルールは妙に説得力があって、人の心の動きがリアルです。そんな人と人の駆け引きにハラハラする作品です。
第22位 金田一少年の事件簿
天樹征丸先生、さとうふみや先生の社会現象にもなったヒット作です。トリックが秀逸で、あっと驚く展開が待ち受ける、いつも感心してしまう作品です。当時、サンデー対マガジンは水曜日発売の週刊誌対決でガチガチに争っていて、探偵ものではコナンvs金田一という構図でしたね。個人期には、ドラマ的な展開という面で、金田一に軍配が上がると思っていました。
第23位 BECK
ゴリラーマンのハロルド作石先生の作品です。フジロックによく行くし、学生の頃にバンドに明け暮れたので、興味を持って読み始めました。仲間って、音楽って、こういうもんだよな。昔に戻りたい、、、と郷愁の念に駆られます。誌面から音が聞こえるという表現はこのマンガから始まった様な気がします。私はファンクでポップなレッチリの様な曲を、特に千葉が歌う時はイメージしながら読んでいます。
第24位 ONE PIECE
尾田栄一郎先生の傑作。細かく語るのも無粋ですが、ジャンプの王道らしく、仲間、義、冒険で少年だけでなく、中高年まで幅広く愛されているマンガです。読んだ事がない方、後悔はしないと思うので、是非、手に取ってご覧下さい。人生の思い出に残る一冊です。
第25位 ドラゴンヘッド
地震が起こった事は分かるけど、一体なぜ、どうして世界はこうなったか?主人公と同じ理解力で謎を解き明かすSFサスペンスホラーパニックミステリーマンガです。特にノブオが壊れていく様子が怖いんです。闇の恐怖って人間の根源的な恐怖ですよね。無いものを有ると錯覚しておかしくなっていく人の様子、そんな中で自我を保ちつつ歩み続ける主人公とアコに、もうなんとか許してあげてよ神様!と思ってしまうくらいの困難が襲い掛かります。アキラや日本沈没などが好きな方は是非に。
第26位 GANTZ
奥浩哉先生のSFアクションマンガです。緻密で繊細なタッチ、あり得ない設定と世界観、かっこいい武器の数々、など奥浩哉ワールドを知らしめた有名マンガです。残酷なシーンも多いので嫌厭する方もいますが、謎を知りたい欲求と派手なアクションに、ついつい見入ってしまう面白さが有ります。対象は大人向けです。
第27位 デトロイトメタルシティ
天才、若杉公徳先生の作品です。こんなに笑えて、下品なマンガが有るだろうか?どの話を切り取ってもめちゃくちゃに面白い、元気になれるマンガです。笑いのネタ元は30代後半から40代の方向けが多いかもしれません。口にバネを仕掛けて早口を言うのが高橋名人の都市伝説だったり、カヒミカリィとか渋谷系ロックが憧れだったり。損は有りませんので、是非読んで欲しい作品です。映画は松山ケンイチさんがキャラを完全コピーしていて、マンガを読んだ後に是非見てもらえると面白さが倍増します。
第28位 進撃の巨人
読み始めた時、私はシャラマン監督のヴィレッジという映画を思い起こしました。奇妙に追い詰められた人類。冒頭から一体何が起こっているのか、謎だらけで、読欲が止まりません。諌山創先生の社会現象にもなった名作です。少しずつ謎が解明されて、あっと驚くどんでん返しがあり、伏線回収も秀逸です。そして最後は寂しさと感動に包まれ、満足感◎の作品です。NHKで制作ストーリーが取り上げられていますが、作者の諫山さんと編集者の川窪慎太郎さんの物語は、まるでリアルバクマンの様です。また別のTVで聞いた話ですが、諫山さんはアシスタントさんの作業まで終わった最後に、目元の加筆を行うそうです。そこにキャラの心情が現れるので、大事な作業との事でした。そういう見方で、アルミンやエルヴィン団長、ハンジさん、エレンの顔を見返すと、その時の内心が読み取れるかもしれません。
第29位 DEATH NOTE
原作が大場つぐみ先生、作画が小畑健先生の超有名マンガです。社会現象にも映画にもなっているので、説明は不要ですね。この作品以降、俺のデスノートに書き込んでやる的な使われ方をする様になりましたよね。この作品はアニメや映画より、マンガが楽しむのが良いと私は思います。とにかく話が複雑で、時間をかけて前のストーリーを振り返って、読む様なマンガです。読むのに2日かかった巻もあります。ドラゴンボールは30分かからないので、作風の違いですね。そういう意味でコスパ最良です。
第30位 鋼の錬金術師
荒川弘先生の名作で、コレがデビュー作と言うのだから凄い事です。綺麗なタッチで、近代と魔法(錬金術)が織りなす重厚な世界観がたまりません。次々に読み進めてしまいます。荒川先生は作家になる前の仕事で生き死にを目撃する事が多かったそうで、魂をモチーフにされている様です。命は作れないし重いものですよね。
第31~40位
第31位 宇宙兄弟
小山宙哉先生の名作です。宇宙という壮大なテーマのもと、兄弟、仲間の絆、夢、未来、恋、大切な人の苦難など、登場人物達と共に色んな感情を表現してくれます。主人公ムッタの人間くさく、男らしく、等身大の人間像に惹かれます。綿密かつ丁寧な取材力に圧倒される素晴らしい作品です。これを読むと宇宙を感じて考えて空を見上げてしまいます。日々現実と向き合いながら頑張っている皆さんにもぜひ読んでほしい作品です。
第32位 闇金ウシジマくん
真鍋昌平先生の作品です。中にはかなり衝撃的なシーンが沢山あるので、覚悟を持って読みましょう!真鍋先生は徹底的な取材をモットーとしていて、マンガの中もそれなりの裏付けで描かれているそうです。とすると、裏社会って相当恐ろしいと感じます。基本的にハッピーエンドが無い中、唯一1話だけ、ちょっと良い話があったりして、それが記憶に残ると言うブラックマンガです。ニギニギ。
第33位 鬼滅の刃
吾峠呼世晴先生の作品です。社会現象にもなって、映画や主題歌が爆発的なヒットになって、緑色の着物の端切れがすごい売れたのも有名な話ですね。鬼滅もチェンソーマンもアニメの大成功との相乗効果で大ヒットしてますね。ストリーが同じでも両方見たくなるそれぞれの良さがあります。剣、技、友情、勧善懲悪、苦難の撃破、というジャンプの王道がモチーフで、読者を掴んで離しません。名言も多く、ヒットが頷ける名作です。
第34位 ジョジョの奇妙な冒険
荒木飛呂彦様の不朽の名作。多くのファンを虜にして、過去には聖地杜王町(仙台市?多賀城市?)でジョジョ立ちイベントまで催されました。中途半端に感想を書くと熱狂的なファンの鱗に触れてしまいますのでやめますが、それくらいの影響力をヘブンズドアで書き込まれてしまう神マンガです。第何部が好きかで占いもあるそうです。とりあえず、私のオススメの第3部からどうぞ。
第35位 漂流教室
楳図かずお先生の代表作。何故ここに流されたか?が謎のまま、子供達が大人や怪物の餌食になっていきます、もうやめてくれ!と懇願するほどの悲惨な出来事が小学生に襲い掛かります。引き込まれてハラハラして手が止まらないマンガです。そしてラストは、、、深夜に読む事をオススメします。
第36位 めぞん一刻
高橋留美子先生。るーみっくワールド全開の、ラブコメディの金字塔。全方位100点の宝の様な作品です。8割はコメディですが、後半、毎回泣けるシーンが有るんです。桜の木の下のシーンです。私は歳を取ったので、響子さんのお父さんに感情移入しちゃって、ほんと泣けてきます。
第37位 伝染(うつ)るんです。
吉田戦車先生の代表的な不条理ギャグマンガです。日常や常識とのズレが笑いに繋がると言いますが、ずれ過ぎていて、これは頭がバズる、やばいマンガです。単純にゲラゲラ笑うんですが、作者の先生の頭の中は何が起こっているんですか?と思ってしまいます。マンガ中のキャラのTシャツのガラにも注目して下さい。「鳥追い」って書いてあって一体何?どうしてそれを書いたの?って、笑いを超えて尊敬になってしまいます。
第38位 はだしのゲン
これを知らない人はいないでしょう。でも読んだ方はあまり多く無いでしょうか?戦争の悲惨さ、原爆の怖さ、広島再生の過程をしっかり描いていて、人類がもっとも読まなければならないマンガがこれです。絵で様子を伝えることができるマンガの特性をとても有効に使っています。自分の子供にもいつか読ませたい人類史です。
第39位 夏子の酒
尾瀬あきら先生の名作です。マンガの特性をいかんなく発揮して酒の魅力、米作りの尊さを伝えてくれます。ストーリーは初期から予想できますが、その過程と夏子の頑張る姿が素晴らしいです。昔からマンガ家という職業は勉強 (取材) が大変と聞きます。人に端的に情報を伝えるには、その10 倍の知識や世界観を知らないと、要旨はおさえられないと言いますよね。マンガはさらにストーリーも考えないといけないですから。こういう過程を経ていない作品には、凄みと深みを感じないので、面白いものはないと思います。
第40位 幽遊白書 (幽☆遊☆白書)
冨樫義博先生のオカルトファンタジーです。私の感想ですが、初刊から完結まで、だんだん冨樫さんの世界観が構築されて行って、ハンターハンターの何処かおどろおどろしい、感じにシームレスにつながっているように感じました。完全に素人の感想ですが、冨樫先生のキャラには、性格のスライドバーみたいなものをしっかり感じるんです。それがブレてないから、読んでてズレを感じない。例えば、幽助は「頼りがい5、気持ちよさ5、高潔さ3、悪意1、残虐1」、飛影は「頼りがい3、気持ちよさ0、高潔さ5、悪意4、残虐4」、ヒソカは「頼りがい2、気持ちよさ0、高潔さ0、悪意5、残虐5」みたいに感じます。他のマンガはもう少しこの設定があいまいに感じていて、あれ?こういう風に思うかな?と感じることがある事もあります。冨樫先生の徹底ぶりは、そういう明文化されたデータがありそうな気がしてなりません。お身体も大事にして欲しいと思います。
第41~50位
第41位 レベルE
冨樫義博先生の全16話で構成されるショートショートSFホラー。作品の時系列としては、幽遊白書とハンターハンターの間で、ハンターハンター後半で確立された冨樫ワールドが如何なく発揮された名著です。コミカルで残酷でちょっといい話で全体的に「陰」の方向。という世界観で、私は大好きです。読みやすく、何度でも手に取りたくなる、良品です。是非ともご覧ください。
第42位 のだめカンタービレ
大人気マンガですね。ドラマの再現性が高くて話題にもなりました。綺麗な絵とコメディ要素でライトに読ませつつも、音楽家の道の厳しさ、華やかな舞台の裏側を読ませてくれます。オーケストラの指揮は音を聞き分けて、誰がどの音か分かる描写もありますが、人間って凄い能力を備えているんですね。指揮でオーケストラの音が変わるってのもめちゃくちゃ意外で興味深い。音楽は尊いです。
第43位 モテキ
久保ミツロウ先生のコメディマンガです。後から知ったんですが、先生は女性でらっしゃいました。なので女性から見た、モテてもおかしくない中の上くらいの主人公と、こいつは可も不可もないからいってみるかと近づく女性の心理を表しているんですね。一人でいるときの女性の心理が何かリアルで、面白!と、思ってました。女性目線なんですねと、とても納得でした。おじさん目線では、なんでこんなダメンズがモテるのか、、、羨ましい限りで、世の中分からんなー、と思ったもんです。が解決しました。主人公はモテるんですが、結局、チャンスを掴めないところが、またもどかしい。恥ずかしくても転げながら前向いて生きよう!と思う作品です。テレビドラマ版も映画もおすすめしたいです。テンポも良いし、使っている挿入歌のセンスが良くて、何回も見ちゃいます。キーマンである野波麻帆さんが神々しい。一度、御本人をお見かけしたことがあるのですが、オーラを纏っておられました。
第44位 働きマン
鬼才、安野モヨコ先生の代表的な作品です。「私は働いたなーって思って死にたい」という主人公の言葉が刺さります。働きすぎる、闘う女性をテーマにした作品です。この作品は読み手のその時のメンタルで、受け取り方が変わるかもしれません。読者の方が、仕事も順調で元気な時であれば、応援してもらっているかの様なメッセージを受けると思います。その逆であれば、ツラくて本を閉じてしまうかもしれません。でも、働くって事のリアルを教えてくれるマンガで、私は好きです。安野モヨコ先生は旦那さんがエヴァンゲリオンの庵野秀明先生なんですよね。この二人の夫婦間の会話ってどんな感じなんでしょう。興味ありますね。
第45位 もやしもん
菌の営みでマンガが描ける事に相当びっくりしました。農学部学園コメディです。菌とは?がとてもわかりやすく書かれていて、勉強になりました。キノコって菌のコロニーな訳だけど、これを読むと不思議だなぁと思わずにいられません。マネをして納豆を自宅で作ってみたりもしました。芯が残りすぎて、あまり美味しくなかったですが、ちゃんと納豆になっていて感動しました。ワインや日本酒の解説もわかりやすくて生物の教科書の様なアカデミアマンガです。
第46位 ジパング
かわぐちかいじ先生の、太平洋戦争以降の歴史を作り直すとしたらたらこうなって(欲しい?)いるのかな?という、リアルな仮想を歴史に投影した空想作品です。圧倒的な技術力を持って過去に戻ったら世界を変えられるのでは?と、誰もが想像した事があると思います。そうしようとする将校とそれを是としない主人公の息を飲む争いに読欲が止まりません。現代、戦争時の思惑は、多面的な解釈や脚色で、真実がなかなか見えないところがあると思います。肯定したい気持ちも否定できない悲惨さもあり、この作品もまた日本人という立場に立った場合のその一面を表していると思います。この様に表現するにはまた、かわぐち先生の並々ならぬ勉強と考察があると思います。その知識を教えて頂くようで、一気見してしまう面白さがあっておすすめです。
第47位 沈黙の艦隊
かわぐちかいじ先生の、世界最高の技術を詰め込んだ原子力潜水艦をモチーフに、日本の課題を切り込んだ名作です。潜水艦同士の戦いに熱くなります。そして、国が自立するための考え方を提案しています。ジパング同様に、かわぐち先生の考え方に、なるほど、このような危機が今の日本には普通にあるのだな、とブルっとしてしまいます。私は、戦争と自衛に関する考え方の持論を述べられるほど考えが成熟していないので、何とも言えません。私には失いたくない家族や子供がいるし、そのために人が死んでもいいとはこれっぽっちも思えません。色々な作家さんの考えを読んで勉強したいと思います。マンガというツールの表現の深さに改めて感服します。
第48位 3×3EYES
高田裕三先生の名作です。主人公の藤井八雲と伝説の妖怪「三只眼」の唯一の生き残りパイとの冒険と愛の物語です。八雲が前向きで頑張り屋でパイが大好きで、良いんですよね。憧れが詰まった厨二病発生必至の青春冒険マンガと言って良いと思います。私は一時期どハマりして、こればっかり読んでました。第二部のラストが切なくて切なくて、幸せになってくれよ〜!自分も手から土爪出ないかな〜!と、思った人も多いと思います。
第49位 人魚の森
高橋留美子先生のショートショートのミステリーです。人間の怖さをゾワッと感じさせる話が満載で、どんでん返しの展開もとても面白いです。らんまもめぞん一刻も人魚の森も高橋留美子先生の可愛いキャラクターから繰り広げられるベテラン作家のテクニックに圧倒されます。これぞプロの作品ですね。
第50位 ARMS
皆川亮二先生の代表作です。不思議の国のアリスをモチーフにしたナノマシンを武器に少年達の生い立ちや組織の思惑が次々と明らかになっていく、サスペンス冒険アクションマンガです。「力が欲しいならくれてやる」は今や様々なマンガで流用されてますね。余談ですが、昔、マッドハッターって何?と思って調べたら、狂った帽子屋という意味と知りました。つまり、中世のヨーロッパでは帽子作りに水銀を使っていたらしく、水銀中毒になった帽子屋をマッドハッターと言うんですね。
第51~60位
第51位 キングダム
原泰久先生の作品です。まだまだ連載が続いていますので、間に合いますよー。映画も人気、アメトークや様々なメディアで取り上げられているので知っている人は多いと思います。秦の始皇帝所属の大将軍になる青年の成長、冒険譚です。デフォルメされているとは思いますか、中国はこんな歴史を歩んできたんですね。一度、中国に行ったことが有りますが、超広大で360度地平線が続いていました。思わずシン達の騎馬隊がこの土地を駆けて行く絵を想像してしまいました。この大陸を統治した王の過程を大迫力で魅力的なキャラで描いてます。是非、手に取ってみて下さい。
第52位 魍魎戦記マダラ
真王の定めで生まれたマダラ。帝国の王のミロクに疎まれ、生まれた直後に身体を9体の魍鬼と呼ばれる悪霊に奪われ捨てられます。マダラは育ての親に機械の身体(ギミック)をつけられて、育てられますが、自分の本当の身があることを知ったマダラは、旅に出て、魍鬼を倒しながら身体を取り返します。その過程で、キリン、カオス、聖神邪といった仲間を得ながら悩み、戦う冒険ストーリーです。作者は、田島昭宇さん。多重人格探偵サイコやBrothersなども描いています。この作品にちょこちょこと、聖神邪(ゲドユダヤ)が、出てきてファンは嬉しいですね。
第53位 ミスター味っ子
寺沢大介先生のグルメマンガを世に広めた革命的なマンガ。これで料理に興味を持った子供たちは多いと思いますよ。私はムシューさんの時のオムレツを何回かトライしましたが、思ってたのと違うものが出来上がった苦い思い出があります。今も色々なYouTuberが、メニューを再現してますよね。
第54位 ツルモク独身寮
高校生でハマったマンガです。大人はこんなに楽しい世界が待っているのか?と胸を踊らせました。みゆきさんの大人っぷりに高校生の脳は完全にやられていたわけです。マンガの世界って分かっていても、期待しちゃうんですね。恋愛とコメディがほどよいバランスで、トレンディドラマが流行っていた頃の日本の若者像が滲んでます。「俺、みゆきさんが好きだ」「うん、知ってる」くだりの後の爽やかな笑顔ですが、今となっては、ふざけんなよー!超自分勝手と思います。我が子はこんな騒動に引っかからない様にしっかり教えておかないと。
第55位 冬物語
原秀則先生の代表作の一つです。これも私が高校生で流行ったマンガです。浪人も悪くないのかな?と大学受験が大変だった時に思いました。若者の尊すぎる恋愛と苦悩をこれでもかと見せつけて、眩しいけど、世の中そんなに甘くないことも伝えてくれます。主人公は優柔不断で様々な選択肢から逃げ続けます。でも、少しずつ少しずつ成長していて、そのあたりが妙なリアルさがあります。それにしても羨ましい事にモテるんですよね。久保ミツロウ先生の作品だったらきっと大きなしっぺ返しが待ってそうですが。しっかり者の奈緒子が、ダメンズに振り回されて、かわいそうで切なくて、でもこんな寄り添ってくれる子がいたらいいなぁ、と読者の妄想に火をつけるんでしょうね。絶対に将来、苦労しますので、そこは現実と区別しましょう!あと、未成年がやたらと酒を飲むので今時はNGかもしれませんね。バブル期の若者の青春群像劇がよく表れています。
第56位 らんま1/2
巨匠、高橋留美子先生の名作です。絵が可愛いくて、ポップで読みやすい。コマ割りも自分の好みに合っていてて、スイスイ読めるプロの仕事だと思わせられる作品です。池に落ちると変身する修行地の設定や、美人3姉妹の家に居候して末娘と許婚になっていて、その子がツンデレなんて、厨二病生の憧れがフルに詰まった、戦略的な売れるマンガの真骨頂ですよね。アニメでは中国少女のテンプレの発音の仕方はシャンプーから始まったと聞いたけど、どうなんでしょう。
第57位 ハイスクール奇面組
新沢基栄先生の古き良き、ジャンプギャクマンガの金字塔。小学生の時に流行りに流行って、みんなゲラゲラ笑ってました。お決まりの、ギャグモードになると2頭身に変身したり、びっくりしたときに目が飛び出す描写も (この作品がパイオニアかどうかは定かではないですが)、これくらいの時期に発明されたのではないでしょうか。軽いタッチでキャラがかわいくて、ありえない身体能力で切れのいいギャグを飛ばします。○○組というのがたくさん出てきて、私は御女組 (おめぐみ) の天野邪子が好きでした。
第58位 今朝もあの子の夢を見た
野原広子先生の作品。娘を持つ男性は必ず心がぎゅうっとなって、息が止まりそうになります。どうか幸せでありますように。多くは語りません。必見です。野原先生は、ピンポイントで心のみぞおちを突いてくる名人です。どの作品も若干の片頭痛を伴う薬のような作品です。
第59位 風の谷のナウシカ
言わずと知れたナウシカです。映画のみの方はぜひ手に取ってください。ナウシカの深い生命愛を知ることができます。最終的にナウシカが選んだ生き方が正しいのかどうかは誰にも決められませんが、感動的な最期を迎えます。是非、映画の後を知りたい方に読んで欲しい作品です。
第60位 シグルイ
作画が山口貴由先生、原作が南條範夫先生です。天才とは、努力とは、鍛え上げた肉体美から繰り広げられる技の数々に引き込まれます。